第951条 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。
もう一歩先へ
「相続人のあることが明らかでないとき」は、相続財産の帰属先の存否そのものが不明であることから、無主物の状態となることを避けるために、民法は、相続財産そのものを法人と擬制しました。
戸籍上相続人がいない場合や、戸籍上の相続人が、相続欠格事由、相続廃除や相続の放棄により相続権がない場合が該当します。 cf. 民法891 相続人の欠格事由
cf. 民法892条 推定相続人の廃除
cf. 民法893条 遺言による推定相続人の廃除
cf. 民法938条 相続の放棄の方式
戸籍上相続人がいない場合や、戸籍上の相続人が、相続欠格事由、相続廃除や相続の放棄により相続権がない場合が該当します。 cf. 民法891 相続人の欠格事由
cf. 民法892条 推定相続人の廃除
cf. 民法893条 遺言による推定相続人の廃除
cf. 民法938条 相続の放棄の方式
戸籍上の相続人の行方不明又は生死不明等は、該当しません。
cf. 民法25条 不在者の財産の管理相続財産法人は、「相続人のあることが明らかでない」「相続財産」について、「相続開始と同時」に、法律上当然に成立します。
法人設立のための手続等は不要です。
もう一歩先へ
cf.
最判平9・9・12(貸付信託金請求及び同当事者参加) 全文
判示事項
遺言者に相続人は存在しないが相続財産全部の包括受遺者が存在する場合と民法九五一条にいう「相続人のあることが明かでないとき」
裁判要旨
遺言者に相続人は存在しないが相続財産全部の包括受遺者が存在する場合は、民法九五一条にいう「相続人のあることが明かでないとき」に当たらない。
もう一歩先へ
cf.
最判昭29・9・10(家屋明渡等請求) 全文
相続財産法人と被相続人から物件を取得していた者との関係が対抗関係か否か
「同法人は被相続人の権利義務を承継した相続人と同様の地位にあるものというべく、従つて本件の如く被相続人の生前被相続人より不動産の贈与を受けた者に対する関係においては、同法人は民法一七七条にいう第三者に該当しないものと解するを相当とする」
cf. 民法177条 不動産に関する物権の変動の対抗要件