破産法248条 免責許可の申立て

第248条 個人である債務者(破産手続開始の決定後にあっては、破産者。第四項を除き、以下この節において同じ。)は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後一月を経過する日までの間に、破産裁判所に対し、免責許可の申立てをすることができる。
 
2 前項の債務者(以下この節において「債務者」という。)は、その責めに帰することができない事由により同項に規定する期間内に免責許可の申立てをすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、当該申立てをすることができる。
 
3 免責許可の申立てをするには、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者名簿を提出しなければならない。ただし、当該申立てと同時に債権者名簿を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。
 
4 債務者が破産手続開始の申立てをした場合には、当該申立てと同時に免責許可の申立てをしたものとみなす。ただし、当該債務者が破産手続開始の申立ての際に反対の意思を表示しているときは、この限りでない。
 
5 前項本文の規定により免責許可の申立てをしたものとみなされたときは、第二十条第二項の債権者一覧表を第三項本文の債権者名簿とみなす。
 
6 債務者は、免責許可の申立てをしたときは、第二百十八条第一項の申立て又は再生手続開始の申立てをすることができない。
 
7 債務者は、次の各号に掲げる申立てをしたときは、第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該各号に定める決定が確定した後でなければ、免責許可の申立てをすることができない。
 一 第二百十八条第一項の申立て 当該申立ての棄却の決定
 二 再生手続開始の申立て 当該申立ての棄却、再生手続廃止又は再生計画不認可の決定


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破産法252条 免責許可の決定の要件等

第252条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
 一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。
 二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。
 三 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。
 四 浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
 五 破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。
 六 業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。
 七 虚偽の債権者名簿(第二百四十八条第五項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第一項第六号において同じ。)を提出したこと。
 八 破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。
 九 不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。
 十 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。
  イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日
  ロ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百三十九条第一項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日
  ハ 民事再生法第二百三十五条第一項(同法第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日
 十一 第四十条第一項第一号、第四十一条又は第二百五十条第二項に規定する義務その他この法律に定める義務に違反したこと。
 
2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。
 
3 裁判所は、免責許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び破産管財人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
 
4 裁判所は、免責不許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
 
5 免責許可の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
 
6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
 
7 免責許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。


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もう一歩先へ 2項:
裁量免責の規定です。

会社更生法204条 更生債権等の免責等

第204条 更生計画認可の決定があったときは、次に掲げる権利を除き、更生会社は、全ての更生債権等につきその責任を免れ、株主の権利及び更生会社の財産を目的とする担保権は全て消滅する。
 一 更生計画の定め又はこの法律の規定によって認められた権利
 二 更生手続開始後に更生会社の取締役等(取締役、会計参与、監査役、代表取締役、執行役、代表執行役、清算人又は代表清算人をいう。)又は使用人であった者で、更生計画認可の決定後も引き続きこれらの職に在職しているものの退職手当の請求権
 三 第百四十二条第二号に規定する更生手続開始前の罰金等の請求権
 四 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)のうち、これを免れ、若しくは免れようとし、不正の行為によりその還付を受け、又は徴収して納付し、若しくは納入すべきものを納付せず、若しくは納入しなかったことにより、更生手続開始後懲役若しくは罰金に処せられ、又は国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第百五十七条第一項若しくは地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第二十二条の二十八第一項の規定による通告の旨を履行した場合における、免れ、若しくは免れようとし、還付を受け、又は納付せず、若しくは納入しなかった額の租税等の請求権で届出のないもの
 
2 更生計画認可の決定があったときは、前項第三号及び第四号に掲げる請求権については、更生計画で定められた弁済期間が満了する時(その期間の満了前に更生計画に基づく弁済が完了した場合にあっては、弁済が完了した時)までの間は、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。
 
3 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責及び担保権の消滅の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。


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民事再生法101条 認否書の作成及び提出

第101条 再生債務者等は、債権届出期間内に届出があった再生債権について、その内容及び議決権についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。
 
2 再生債務者等は、第九十五条の規定による届出又は届出事項の変更があった再生債権についても、その内容及び議決権(当該届出事項の変更があった場合には、変更後の内容及び議決権)についての認否を前項の認否書に記載することができる。
 
3 再生債務者等は、届出がされていない再生債権があることを知っている場合には、当該再生債権について、自認する内容その他最高裁判所規則で定める事項を第一項の認否書に記載しなければならない。
 
4 債権届出期間内に約定劣後再生債権の届出がなかったときは、前項の規定は、約定劣後再生債権で再生債務者等が知っているものについては、適用しない。
 
5 再生債務者等は、第三十四条第一項に規定する再生債権の調査をするための期間(以下「一般調査期間」という。)前の裁判所の定める期限までに、前各項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。
 
6 前項の規定により提出された認否書に、第一項に規定する再生債権の内容又は議決権についての認否の記載がないときは、再生債務者等において、これを認めたものとみなす。当該認否書に第二項に規定する再生債権の内容又は議決権のいずれかについての認否の記載がない場合についても、同様とする。


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民事再生法181条 届出のない再生債権等の取扱い

第181条 再生計画認可の決定が確定したときは、次に掲げる再生債権(約定劣後再生債権の届出がない場合における約定劣後再生債権を除く。)は、第百五十六条の一般的基準に従い、変更される。
 一 再生債権者がその責めに帰することができない事由により債権届出期間内に届出をすることができなかった再生債権で、その事由が第九十五条第四項に規定する決定前に消滅しなかったもの
 二 前号の決定後に生じた再生債権
 三 第百一条第三項に規定する場合において、再生債務者が同項の規定による記載をしなかった再生債権
 
2 前項第三号の規定により変更された後の権利については、再生計画で定められた弁済期間が満了する時(その期間の満了前に、再生計画に基づく弁済が完了した場合又は再生計画が取り消された場合にあっては弁済が完了した時又は再生計画が取り消された時)までの間は、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。
 
3 再生計画認可の決定が確定した場合には、再生手続開始前の罰金等についても、前項と同様とする。


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破産法20条 破産手続開始の申立ての方式

第20条 破産手続開始の申立ては、最高裁判所規則で定める事項を記載した書面でしなければならない。
 
2 債権者以外の者が破産手続開始の申立てをするときは、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者一覧表を裁判所に提出しなければならない。ただし、当該申立てと同時に債権者一覧表を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。


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破産法253条 免責許可の決定の効力等

第253条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
 一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)
 二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
 三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
 四 次に掲げる義務に係る請求権
  イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
  ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
  ハ 民法第七百六十六条(同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
  ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務
  ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの
 五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
 六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)
 七 罰金等の請求権
 
2 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保に影響を及ぼさない。
 
3 免責許可の決定が確定した場合において、破産債権者表があるときは、裁判所書記官は、これに免責許可の決定が確定した旨を記載しなければならない。
 
4 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。


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もう一歩先へ 2項:

改正前民法566条 地上権等がある場合等における売主の担保責任

第566条  売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
 
2  前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
 
3  前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。

 
cf. 民法566条 目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限

改正前民法570条 売主の瑕疵担保責任

民法566条 目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限

第566条 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。


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改正前民法566条 地上権等がある場合等における売主の担保責任

cf. 商法526条2項 買主による目的物の検査及び通知