人事訴訟法18条 訴えの変更及び反訴

第18条 人事訴訟に関する手続においては、民事訴訟法第百四十三条第一項及び第四項、第百四十六条第一項並びに第三百条の規定にかかわらず、第一審又は控訴審の口頭弁論の終結に至るまで、原告は、請求又は請求の原因を変更することができ、被告は、反訴を提起することができる。
 
2 日本の裁判所が請求の変更による変更後の人事訴訟に係る請求について管轄権を有しない場合には、原告は、変更後の人事訴訟に係る請求が変更前の人事訴訟に係る請求と同一の身分関係についての形成又は存否の確認を目的とするときに限り、前項の規定により、請求を変更することができる。
 
3 日本の裁判所が反訴の目的である次の各号に掲げる請求について管轄権を有しない場合には、被告は、それぞれ当該各号に定める場合に限り、第一項の規定による反訴を提起することができる。
 一 人事訴訟に係る請求 本訴の目的である人事訴訟に係る請求と同一の身分関係についての形成又は存否の確認を目的とする請求を目的とする場合
 二 人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求 既に日本の裁判所に当該人事訴訟が係属する場合


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人事訴訟法17条 関連請求の併合等

第17条 人事訴訟に係る請求と当該請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求とは、民事訴訟法第百三十六条の規定にかかわらず、一の訴えですることができる。この場合においては、当該人事訴訟に係る請求について管轄権を有する家庭裁判所は、当該損害の賠償に関する請求に係る訴訟について自ら審理及び裁判をすることができる。
 
2 人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求を目的とする訴えは、前項に規定する場合のほか、既に当該人事訴訟の係属する家庭裁判所にも提起することができる。この場合においては、同項後段の規定を準用する。
 
3 第八条第二項の規定は、前項の場合における同項の人事訴訟に係る事件及び同項の損害の賠償に関する請求に係る事件について準用する。


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改正前刑法175条 わいせつ物頒布等

第175条 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
 
2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。


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cf. 刑法175条 わいせつ物頒布等


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cf. 最大判昭32・3・13(昭和28(あ)1713   猥褻文書販売) 全文

判示事項
 一 刑法第一七五条にいわゆる「猥褻文書」の意味
 二 「猥褻文書」に当るかどうかは事実問題か法律問題か。
 三 「猥褻文書」に当るかどうかの判断の基準。
 四 社会通念とは何か。
 五 刑法第一七五条にいわゆる「猥褻文書」に当る一事例。
 六 芸術的作品と猥褻性。
 七 猥褻性の存否と作者の主観的意図。
 八 刑法第一七五条に規定する猥褻文書販売罪における犯意。
 九 憲法第二一条に保障する表現の自由と公共の福祉。
 一〇 旧出版法第二七条と刑法第一七五条との関係。
 一一 憲法第二一条第二項による検閲の禁止と猥褻文書販売罪。
 一二 憲法第七六条第三項にいう裁判官が良心に従うとの意味。
 一三 刑訴法第四〇〇条但書に違反しない一事例。

裁判要旨
 一 刑法第一七五条にいわゆる「猥褻文書」とは、その内容が徒らに性欲を興奮又は刺戟せしめ、且つ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する文書をいう。
 二 文書が「猥褻文書」に当るかどうかの判断は、当該文書についてなされる事実認定の問題でなく、法解釈の問題である。
 三 文書が、「猥褻文書」に当るかどうかは、一般社会において行われている良識、すなわち、社会通念に従つて判断すべきものである。
 四 社会通念は、個々人の認識の集合又はその平均値でなく、これを超えた集団意識であり、個々人がこれに反する認識をもつことによつて否定されるものでない。
 五 Aの翻訳にかかる、昭和二五年四月二日株式会社小山書店発行の「チヤタレイ夫人の恋人」上、下二巻(ロレンス選集1・2)は、刑法第一七五条にいわゆる猥褻文書に当る。
 六 芸術的作品であつても猥褻性を有する場合がある。
 七 猥褻性の存否は、当該作品自体によつて客観的に判断すべきものであつて、作者の主観的意図によつて影響されるものではない。
 八 刑法第一七五条に規定する猥褻文書販売罪の犯意がありとするためには、当該記載の存在の認識とこれを頒布、販売することの認識があれば足り、かかる記載のある文書が同条所定の猥褻性を具備するかどうかの認識まで必要とするものではない。
 九 憲法第二一条の保障する表現の自由といえども絶対無制限のものではなく、公共の福祉に反することは許されない。
 一〇 旧出版法第二七条と刑法第一七五条とは特別法と普通法の関係にある。
 一一 憲法第二一条第二項によつて事前の検閲が禁止されたことによつて、猥褻文書の頒布、販売を禁止し得なくなつたものではない。
 一二 憲法第七六条第三項にいう裁判官が良心に従うとは、裁判官が有形、無形の外部の圧迫ないし誘惑に屈しないで自己の内心の良識と道徳感に従う意味である。
 一三 本件第一審判決がその判示のごとき理由で被告人に無罪の言渡をしても控訴裁判所において「右判決は法令の解釈を誤りひいては事実を誤認したものとして」これを破棄し、自ら何ら事実の取調をすることなく、訴訟記録及び第一審裁判所で取り調べた証拠のみによつて、直ちに被告事件について、犯罪事実を認定し有罪の判決をしたからといつて、必ずしも刑訴第四〇〇条但書の許さないところではない。

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cf. 最決平13・7・16(平成11(あ)1221 わいせつ物公然陳列被告事件) 全文

判示事項
 1 わいせつな画像データを記憶,蔵置させたいわゆるパソコンネットのホストコンピュータのハードディスクと刑法175条のわいせつ物         
 2 刑法175条にいうわいせつ物を「公然と陳列した」の意義        
 3 いわゆるパソコンネットのホストコンピュータのハードディスクにわいせつな画像データを記憶,蔵置させる行為と刑法175条にいうわいせつ物の公然陳列   

裁判要旨
 1 わいせつな画像データを記憶,蔵置させたいわゆるパソコンネットのホストコンピュータのハードディスクは,刑法175条が定めるわいせつ物に当たる。
 2 刑法175条にいうわいせつ物を「公然と陳列した」とは,その物のわいせつな内容を不特定又は多数の者が認識できる状態に置くことをいい,わいせつな内容を特段の行為を要することなく直ちに認識できる状態にすることを要しない。  
 3 いわゆるパソコンネットのホストコンピュータのハードディスクにわいせつな画像データを記憶,蔵置させ,不特定多数の会員が自己のパソコンを使用して,この画像データをダウンロードした上,画像表示ソフトを用いて画像を再生閲覧することが可能な状態に置くことは,刑法175条にいうわいせつ物を「公然と陳列した」ことに当たる。

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cf. 最決平18・5・16(平成15(あ)1348 わいせつ図画頒布,わいせつ図画販売,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反,わいせつ図画販売目的所持被告事件) 全文

判示事項
 児童ポルノ・わいせつ物である光磁気ディスクを販売用コンパクトディスク作成に備えてのバックアップのために製造所持した行為について児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成16年法律第106号による改正前のもの)7条2項の児童ポルノを販売する目的及び刑法175条後段にいう「販売の目的」があるとされた事例

裁判要旨
 児童の姿態に係る画像データを記憶,蔵置させて児童ポルノ・わいせつ物である光磁気ディスクを製造し,これを所持する行為は,販売用コンパクトディスク作成に備えてのバックアップのためのものである場合には,コンパクトディスク作成の際に児童の目の部分にぼかしを入れるなどの加工を施す意思であっても,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成16年法律第106号による改正前のもの)7条2項にいう「前項に掲げる行為の目的」のうちの児童ポルノを販売する目的及び刑法175条後段にいう「販売の目的」で行われたものということができる。

Un pas de plus ! もう一歩先へ 後段:
cf. 最判昭52・12・22 (昭和51(あ)783 猥せつ図画所持、同販売) 全文

判示事項
 刑法一七五条後段にいう「販売ノ目的」の意義

裁判要旨
 刑法一七五条後段にいう「販売ノ目的」とは猥せつの図画等を日本国内で販売する目的をいい、日本国外で販売する目的を含まない。

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cf. 最判昭34・3・5(昭和33(あ)934 猥褻文書販売等) 全文

判示事項
 一 性科学書ではなく刑法第一七五条にいわゆる猥褻文書にあたる事例
 二 同条にいう販売の意義

裁判要旨
 一 故A研究報告顕彰会復刻「相対会研究報告」なる書名でその冒頭に執筆者同人名義の性研究に関する題名「性的経験概論」という論文が掲載されている部分のある文書であつても、その余の大部分には男女性交の状態を露骨詳細に描写し、人をして羞恥嫌悪の念を生じさせる記述のある短篇数篇が資料の部として掲載されているときには、全体として刑法第一七五条にいわゆる猥褻文書にあたる。
 二 同条にいう販売とは特定または多数の人に対する有償譲渡をいう。

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cf. 最決昭33・9・5(昭和33(あ)1069 猥褻図画陳列) 全文

判示事項
 刑法第一七五条にいう「猥褻ノ図画ヲ公然陳列シタル」場合にあたる事例。

裁判要旨
 観覧料を徴収し、外部との交通を遮断した自宅二階三畳間で観客五名位に対し猥褻映画を上映して観覧せしめた場合、その五名が予ねて力車屋等において上映者の依頼に応じ勧誘案内して来た者である以上、刑法第一七五条にいう「猥褻ノ図画ヲ公然陳列シタル」場合にあたる。

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cf. 最判平27・12・25(平成25(あ)510 わいせつ電磁的記録等送信頒布,わいせつ電磁的記録有償頒布目的保管被告事件) 全文

判示事項
 1 刑法175条1項後段にいう「頒布」の意義
 2 顧客のダウンロード操作に応じて自動的にデータを送信する機能を備えた配信サイトを利用してわいせつな動画等のデータファイルを同人の記録媒体上に記録,保存させる行為と刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録の頒布

裁判要旨
 1 刑法175条1項後段にいう「頒布」とは,不特定又は多数の者の記録媒体上に電磁的記録その他の記録を存在するに至らしめることをいう。
 2 不特定の者である顧客によるダウンロード操作に応じて自動的にデータを送信する機能を備えた配信サイトを利用した送信により,わいせつな動画等のデータファイルを同人の記録媒体上に記録,保存させることは,刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録の「頒布」に当たる。

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cf. 最判昭55・11・28(昭和54(あ)998 わいせつ文書販売) 全文

判示事項
 一 文書のわいせつ性の判断方法
 二 刑法一七五条にいう「猥褻ノ文書」にあたるとされた事例

裁判要旨
 一 文書のわいせつ性の判断にあたつては、当該文書の性に関する露骨で詳細な描写叙述の程度とその手法、右描写叙述の文書全体に占める比重、文書に表現された思想等と右描写叙述との関連性、文書の構成や展開、さらには芸術性・思想性等による性的刺激の緩和の程度、これらの観点から該文書を全体としてみたときに、主として、読者の好色的興味にうつたえるものと認められるか否かなどの諸点を検討することが必要であり、これらの事情を総合し、その時代の社会通念に照らして、それが「徒らに性欲を興奮又は刺激せしめ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」といえるか否かを決すべきである。
 二 男女の性的交渉の情景を扇情的筆致で露骨、詳細かつ具体的に描写した部分が量的質的に文書の中枢を占めており、その構成や展開、さらには文芸的、思想的価値などを考慮に容れても、主として読者の好色的興味にうつたえるものと認められる本件「四畳半襖の下張」は、刑法一七五条にいう「猥褻ノ文書」にあたる。

刑法176条 不同意わいせつ

第176条 次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
 
 一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
 二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
 三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
 四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
 五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
 六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
 七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
 八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
 
2 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。
 
3 十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。


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cf. 最大判昭29・11・29(平成28(あ)1731 児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,強制わいせつ,犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件) 全文

判示事項
 強制わいせつ罪の成立と行為者の性的意図の要否

裁判要旨
 刑法(平成29年法律第72号による改正前のもの)176条にいう「わいせつな行為」に当たるか否かの判断を行うための個別具体的な事情の一つとして,行為者の目的等の主観的事情を判断要素として考慮すべき場合はあり得るが,行為者の性的意図は強制わいせつ罪の成立要件ではない。