民法426条 詐害行為取消権の期間の制限

第426条 詐害行為取消請求に係る訴えは、債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から二年を経過したときは、提起することができない。行為の時から十年を経過したときも、同様とする。


e-Gov 民法

 
改正前民法426条 詐害行為取消権の期間の制限

 
もう一歩先へ
改正前においては、詐害行為取消権の制限期間は、消滅時効期間としていましたが、本条においては、出訴期間としています。

消滅時効期間とすると、時効の完成猶予や更新が可能となり、法理関係が早期に安定しない恐れがあるためです。

民法201条 占有の訴えの提起期間

第201条 占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に提起しなければならない。ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から一年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。
 
2 占有保全の訴えは、妨害の危険の存する間は、提起することができる。この場合において、工事により占有物に損害を生ずるおそれがあるときは、前項ただし書の規定を準用する。
 
3 占有回収の訴えは、占有を奪われた時から一年以内に提起しなければならない。


e-Gov 民法

 

もう一歩先へ
占有訴権は1年の除斥期間にかかります。

cf. 改正前民法724条 不法行為による損害賠償請求権の期間の制限

民法202条 本権の訴えとの関係

第202条 占有の訴えは本権の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない。
 
2 占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。


e-Gov 民法

もう一歩先へ 2恋:
判例によれば、土地の占有に基づく占有保持の訴えが係属している場合、被告は、所有権に基づく土地明渡しを求める反訴を提起することがでできます。
 
判例(最判昭40.3.4、民事訴訟法百選No.34)によれば、占有の訴えに対して本権に基づく反訴をすることができるとされています。その理由として、本項はあくまで占有の訴えに対して本権を抗弁として提出することを禁じているにすぎず、本権に基づく反訴を提出することは禁止していないことを挙げています。

改正前民法423条 債権者代位権

第423条  債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。
 
2  債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。

 
cf. 民法423条 債権者代位権の要件

民法423条 債権者代位権の要件

第423条 債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。
 
2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。
 
3 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、被代位権利を行使することができない。


e-Gov 民法

 
改正前民法423条 債権者代位権

もう一歩先へ 1項:
cf. 最判昭43・9・26(配当異議) 全文

判示事項
 債権者はその債務者に代位して他の債権者に対する債務の消滅時効を援用することができるか

裁判要旨
 債権者は、自己の債権を保全するに必要な限度で、債務者に代位して、他の債権者に対する債務の消滅時効を援用することができる。

もう一歩先へ 1項ただし書き:
cf. 最判平13・11・22(第三者異議事件) 全文

e.g.遺留分侵害額請求権は行使上の一身専属性を有し、特段の事情がある場合を除き、債権者代位の目的とはなりません。

注意 本判決は、平成30年改正前の制度を前提にしたものであることに留意する必要があります。

判示事項
 遺留分減殺請求権を債権者代位の目的とすることの可否

裁判要旨
 遺留分減殺請求権は,遺留分権利者が,これを第三者に譲渡するなど,権利行使の確定的意思を有することを外部に表明したと認められる特段の事情がある場合を除き,債権者代位の目的とすることができない。

cf. 民法1046条 遺留分侵害額の請求

e.g.「差押えを禁じられた権利」とは、例えば、民事執行法152条所定の額の範囲内の給与債権などがこれに当たります。

cf. 民事執行法152条 差押禁止債権
もう一歩先へ 2項:
改正前に認められていた裁判上の代位の許可制度は廃止されました。

cf. 改正前民法423条2項 債権者代位権
もう一歩先へ 3項:
「強制執行により実現することのできないもの」とは、例えば、破産免責の手続などにより免責された債権などがこれに当たります。
Un pas de plus ! もう一歩先へ 1項:
cf. 最判昭58・10・6(昭和54(オ)719 損害賠償) 全文

判示事項
 一 名誉侵害を理由とする慰藉料請求権と行使上の一身専属性の喪失事由
 二 名誉侵害を理由とする破産者の慰藉料請求権が破産終結決定後に行使上の一身専属性を失つた場合と破産法二八三条一項後段の適用の有無

裁判要旨
 一 名誉侵害を理由とする慰藉料請求権は、加害者が被害者に対し一定額の慰藉料を支払うことを内容とする合意若しくはかかる支払を命ずる債務名義が成立したなどその具体的な金額が当事者間において客観的に確定したとき又は被害者が死亡したときは、行使上の一身専属性を失う。
 二 名誉侵害を理由とする破産者の慰藉料請求権が破産終結決定後に行使上の一身専属性を失つた場合には、破産法二八三条一項後段の適用はない。

cf. 民法710条 財産以外の損害の賠償

 

民法423条の2 代位行使の範囲

第423条の2 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利の目的が可分であるときは、自己の債権の額の限度においてのみ、被代位権利を行使することができる。


e-Gov 民法

 
新設

cf. 民法424条の8 詐害行為の取消しの範囲

民法423条の3 債権者への支払又は引渡し

第423条の3 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利が金銭の支払又は動産の引渡しを目的とするものであるときは、相手方に対し、その支払又は引渡しを自己に対してすることを求めることができる。この場合において、相手方が債権者に対してその支払又は引渡しをしたときは、被代位権利は、これによって消滅する。


e-Gov 民法

 
新設

民法423条の5 債務者の取立てその他の処分の権限等

第423条の5 債権者が被代位権利を行使した場合であっても、債務者は、被代位権利について、自ら取立てその他の処分をすることを妨げられない。この場合においては、相手方も、被代位権利について、債務者に対して履行をすることを妨げられない。


e-Gov 民法

 
新設

 
もう一歩先へ
債務者は、債権者から代位の通知を受けた後であっても、代位権行使の対象となった権利を自ら行使できます。