第79条 破産管財人は、就職の後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならない。
破産法160条 破産債権者を害する行為の否認
第160条 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。
一 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
二 破産者が支払の停止又は破産手続開始の申立て(以下この節において「支払の停止等」という。)があった後にした破産債権者を害する行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
2 破産者がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、破産手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、破産財団のために否認することができる。
3 破産者が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。
破産者が債権者を害することを知りながら破産前にした行為(詐害行為)で、受益者も悪意である場合には否認できるとするものです。
例外的に、支払停止又は破産手続き開始申立て後の詐害行為である場合に限り、破産者の詐害意思は要件となりません。
主観的要件なしに、否認できます。危機時期の前後に、無償行為を行うことはそれだけで債権者に対する詐害性は十分であるという考え方に基づきます。
破産法62条 取戻権
破産法63条 運送中の物品の売主等の取戻権
破産法64条 代償的取戻権
第64条 破産者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)が破産手続開始前に取戻権の目的である財産を譲り渡した場合には、当該財産について取戻権を有する者は、反対給付の請求権の移転を請求することができる。破産管財人が取戻権の目的である財産を譲り渡した場合も、同様とする。
2 前項の場合において、破産管財人が反対給付を受けたときは、同項の取戻権を有する者は、破産管財人が反対給付として受けた財産の給付を請求することができる。
民法622条 賃貸借について使用貸借の規定の準用
民法593条 使用貸借
第593条 使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。
判示事項
建物の貸借関係が使用貸借であると認められた事例
裁判要旨
建物の借主が該建物を含む貸主所有の不動産に賦課された固定資産税等の公租公課の支払を負担する等原判示事実(原判決理由参照)があるとしても、右負担が建物の使用収益に対する対価の意味をもつものと認めるに足りる特段の事情のないかぎり、当該貸借関係は使用貸借であると認めるのが相当である。
判示事項
遺産である建物の相続開始後の使用について被相続人と相続人との間に使用貸借契約の成立が推認される場合
裁判要旨
共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物において被相続人と同居してきたときは、特段の事情のない限り、被相続人と右の相続人との間において、右建物について、相続開始時を始期とし、遺産分割時を終期とする使用貸借契約が成立していたものと推認される。
改正前民法599条 借主の死亡による使用貸借の終了
改正前民法597条 借用物の返還の時期
第597条 借主は、契約に定めた時期に、借用物の返還をしなければならない。
2 当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わった時に、返還をしなければならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる。
3 当事者が返還の時期並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも返還を請求することができる。