第424条 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者(以下この款において「受益者」という。)がその行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
2 前項の規定は、財産権を目的としない行為については、適用しない。
3 債権者は、その債権が第一項に規定する行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限り、同項の規定による請求(以下「詐害行為取消請求」という。)をすることができる。
4 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、詐害行為取消請求をすることができない。
判示事項
詐害行為取消権の行使の方法。
裁判要旨
詐害行為取消権の行使は、訴の方法によるべきであつて、抗弁の方法によることは許されない。
cf.最判昭46・11・19(売掛代金請求) 全文
判示事項
金銭の支払を求める詐害行為取消訴訟手続において被告は自己の債権額に対応する按分額の支払を拒むことができるか
裁判要旨
債権者が、受益者を被告として、債務者の受益者に対する弁済行為を取り消し、かつ、右取消にかかる弁済額の支払を求める詐害行為取消訴訟手続において、被告は、右弁済額を原告の債権額と自己の債権額とで按分し、後者に対応する按分額につき、支払を拒むことはできない。
詐害行為となるのは財産的行為に限られ、相続放棄のような身分行為は詐害行為取消権の対象とはなりません。
cf. 最判昭49.9.20(詐害行為取消、株金等支払請求) 全文判示事項
相続の放棄と詐害行為取消権
裁判要旨
相続の放棄は、民法四二四条の詐害行為取消権行使の対象とならない。
判示事項
離婚に伴う財産分与と詐害行為の成否
裁判要旨
離婚に伴う財産分与は、民法七六八条三項の規定の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情のない限り、詐害行為とはならない。
期限の定めのない債務であるため,履行の請求により遅滞に陥る。
判示事項
詐害行為取消しによる受益者の取消債権者に対する受領済みの金員相当額の支払債務が履行遅滞となる時期
裁判要旨
詐害行為取消しによる受益者の取消債権者に対する受領済みの金員相当額の支払債務は,履行の請求を受けた時に遅滞に陥る。
受益者の悪意については、その反対事実である受益者の善意が抗弁に回る。
cf. 最判昭37・3・6(昭和36(オ)286 所有権移転登記代位請求) 全文判示事項
一 国税徴収法第一七八条と受益者または転得者の善意の挙証責任
二 いわゆる代物弁済的譲渡担保が詐害行為を構成するとされた事例
裁判要旨
一 国税徴収法第一七八条により民法第四二四条を準用する場合において、同条第一項但書にいわゆる受益者または転得者の善意の挙証責任は受益者または転得者に存するものと解すべきである。
二 甲に対して債務二七〇余万円を負担する乙が、少なくともそのうち一二〇万円の未払額あることを知りつつ、唯一の財産である価格二〇〇万円相当の不動産につき、丙に対する元本一三〇万円、利息日歩三銭、期限一年後なる消費貸借債務の担保とするため、所有権を一応丙に譲渡し、弁済期に返済しないときは所有権は完全に丙に帰属することとし、その趣旨で登記も丙名義としておくいわゆる代物弁済的譲渡担保契約をすることは、特段の事情がない限り、甲に対して民法第四二四条の詐害行為を構成する。
