民法590条 消費貸借の貸主の引渡義務等

第590条 第五百五十一条の規定は、前条第一項の特約のない消費貸借について準用する。
 
2 前条第一項の特約の有無にかかわらず、貸主から引き渡された物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないものであるときは、借主は、その物の価額を返還することができる。


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改正前民法590条 貸主の担保責任

改正前民法589条 消費貸借の予約と破産手続の開始

第589条  消費貸借の予約は、その後に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、その効力を失う。

 
削除

cf. 民法589条 利息

cf. 民法587条の2第3項 書面でする消費貸借等

 

民法588条 準消費貸借

第588条 金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによって成立したものとみなす


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改正前民法588条 準消費貸借

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平成29年改正により「消費貸借によらないで」の文言を削除しました。
 
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cf. 最判昭40・10・7(昭和40(オ)200  貸金請求) 全文

判示事項
 将来発生する金銭債務を基礎とする準消費貸借。

裁判要旨
 将来金員を貸与する旨の契約が締結された場合には、その契約が履行される以前でも、その金員をもつて準消費貸借の目的とすることを約することができ、その後右金員が貸与されたとき、右準消費貸借契約は、当然に、効力を生ずる。

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準消費貸借契約は目的とされた旧債務が存在しない以上その効力を有しない

cf. 最判昭43・2・16(昭和42(オ)687  貸金請求) 全文

判示事項
 準消費貸借契約における旧債務の存否に関する立証責任

裁判要旨
 準消費貸借契約において、旧債務の不存在を事由として右契約の効力を争う者は、旧債務の不存在の事実を立証する責任を負う。

改正前民法563条 権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任

第563条  売買の目的である権利の一部が他人に属することにより、売主がこれを買主に移転することができないときは、買主は、その不足する部分の割合に応じて代金の減額を請求することができる。
 
2  前項の場合において、残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったときは、善意の買主は、契約の解除をすることができる。
 
3  代金減額の請求又は契約の解除は、善意の買主が損害賠償の請求をすることを妨げない。

 
cf. 民法563条 買主の代金減額請求権

民法563条 買主の代金減額請求権

第563条 前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。
 
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、買主は、同項の催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
 一 履行の追完が不能であるとき。
 二 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
 三 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、売主が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
 四 前三号に掲げる場合のほか、買主が前項の催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
 
3 第一項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、前二項の規定による代金の減額の請求をすることができない。


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改正前民法563条 権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任

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cf. 最判平13・11・27(平成12(受)375  債務不存在確認請求本訴,不当利得請求反訴事件) 全文

判示事項
 いわゆる数量指示売買において数量が超過する場合に民法565条を類推適用して売主が代金の増額を請求することの可否

裁判要旨
 いわゆる数量指示売買において数量が超過する場合,売主は民法565条の類推適用を根拠として代金の増額を請求することはできない。

cf. 改正前民法565条 数量の不足又は物の一部滅失の場合における売主の担保責任

改正前民法562条 他人の権利の売買における善意の売主の解除権

第562条  売主が契約の時においてその売却した権利が自己に属しないことを知らなかった場合において、その権利を取得して買主に移転することができないときは、売主は、損害を賠償して、契約の解除をすることができる。
 
2  前項の場合において、買主が契約の時においてその買い受けた権利が売主に属しないことを知っていたときは、売主は、買主に対し、単にその売却した権利を移転することができない旨を通知して、契約の解除をすることができる。

 
削除   

cf. 民法562条 買主の追完請求権

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不動産登記等により権利関係を調査しやすい現代においては、十分な調査をしなかった者について、善意であるという一時をもって契約の解除を認める必要性は乏しいため、本条文を削除し、この善意の売主の解除権を廃止しています。

民法562条 買主の追完請求権

第562条 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
 
2 前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない。


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改正前民法562条 他人の権利の売買における善意の売主の解除権

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cf. 最判平3・4・2(昭和62(オ)526  損害賠償) 全文

判示事項
 敷地賃借権付き建物の売買における敷地の欠陥と売買目的物の隠れた瑕疵

裁判要旨
 建物とその敷地の賃借権とが売買の目的とされた場合において、賃貸人が修繕義務を負担すべき敷地の欠陥は、売買の目的物の隠れた瑕疵ではない。

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cf. 最判平13・11・27(平成10(オ)773  損害賠償請求事件) 全文

判示事項
 瑕疵担保による損害賠償請求権と消滅時効

裁判要旨
 瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用がある

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cf. 最判平8・1・26(平成5(オ)1054  売買代金返還等) 全文

判示事項
 借地権付き建物に対する強制競売において借地権が存在しなかった場合と民法五六八条一項、二項及び五六六条一項、二項の類推適用

裁判要旨
 建物に対する強制競売において、借地権の存在を前提として売却が実施されたことが明らかであるにもかかわらず、代金納付の時点において借地権が存在しなかった場合、買受人は、そのために建物買受けの目的を達することができず、かつ、債務者が無資力であるときは、民法五六八条一項、二項及び五六六条一項、二項の類推適用により、強制競売による建物の売買契約を解除した上、売却代金の配当を受けた債権者に対し、その返還を請求することができる。

改正前民法561条 他人の権利の売買における売主の担保責任

第561条  前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない。

 
削除  

cf. 民法561条 他人の権利の売買における売主の義務