第986条 受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。
2 遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。
もう一歩先へ
特定遺贈の放棄は、本条により、死亡後ならいつでもできますが、包括遺贈を放棄する場合は、包括遺贈の受遺者は、「相続の承認又は放棄をすべき期間」の規定が適用されることから、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申述する方法により、遺贈の放棄を行う必要があります。
包括遺贈は、相続人を増やすのと同一の効果があるからです。
cf. 民法964条 包括遺贈及び特定遺贈 cf. 民法915条 相続の承認又は放棄をすべき期間 cf. 民法938条 相続の放棄の方式 cf. 民法989条 遺贈の承認及び放棄の撤回及び取消し もう一歩先へ
遺贈と遺産分割方法の指定(特定財産承継遺言)との違いは、遺贈であれば個別にそれを受け取る(承認)、受け取らない(放棄)の選択ができますが、遺産分割方法の指定は相続と同じ効果を発生させるため、その受け取りを拒否するためには、相続放棄の手続を取ることが必要になります。
cf.
民法915条 相続の承認又は放棄をすべき期間
cf.
民法938条 相続の放棄の方式