会社法25条 発起設立と募集設立

第25条 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。
 一 次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法
 二 次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法
 
2 各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。


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1項1号が発起設立、1項2号が募集設立です。

会社法36条 設立時発行株式の株主となる権利の喪失

第36条 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、当該出資の履行をしていない発起人に対して、期日を定め、その期日までに当該出資の履行をしなければならない旨を通知しなければならない。
 
2 前項の規定による通知は、同項に規定する期日の二週間前までにしなければならない。
 
3 第一項の規定による通知を受けた発起人は、同項に規定する期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失う。


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発起設立募集設立

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発起人に対する失権予告付催告の規定です。募集設立では、出資の履行をしない株式引受人は当然に失権します(会社法63条3項)。

発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければなりません(会社法25条2項)。

cf. 会社法63条3項 設立時募集株式の払込金額の払込み

cf. 会社法25条2項 発起設立と募集設立

会社法63条 設立時募集株式の払込金額の払込み

第63条 設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。
 
2 前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
 
3 設立時募集株式の引受人は、第一項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。


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募集設立のみ

もう一歩先へ 3項:
発起設立では、失権予告付催告(会社法36条)を行いますが、募集設立では、出資の履行をしない株式引受人は当然に失権します。
しかしながら、募集設立の場合の発起人については、発起設立の場合と同じ取り扱いになります(会社法59条2項)。

cf. 会社法36条 設立時発行株式の株主となる権利の喪失

cf. 会社法59条2項 設立時募集株式の申込み

民法545条 解除の効果

第545条 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
 
2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
 
3 第一項本文の場合において、金銭以外の物を返還するときは、その受領の時以後に生じた果実をも返還しなければならない。
 
4 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。


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改正前民法545条 解除の効果

もう一歩先へ 2項:
不当利得の一般原則(703条、704条)と異なり、金銭の受領者が善意であっても利息の返還が義務付けられています。

cf. 民法703条 不当利得の返還義務
cf. 民法704条 悪意の受益者の返還義務等

会社法82条 創立総会の決議の省略

第82条 発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。
 
2 発起人は、前項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。
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民法95条 錯誤

第95条 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる
 一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
 二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
 
2 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
 
3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
 一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
 二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
 
4 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。


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改正前民法95条 錯誤

もう一歩先へ 1項:
cf. 民法126条 取消権の期間の制限

契約が取り消された場合には、債務が存在しないことになり、債務不履行に基づく損害賠償請求はすることができません。

もう一歩先へ 2項:
いわゆる「動機の錯誤」の場合です。「表示」には、黙示の表示:言うまでもなくわかってるでしょ!というくらいの状況も含まれます。

cf. 民法412条の2 履行不能
もう一歩先へ 3項:
本条は表意者を保護するための規定ですが、表意者に重大な過失がある場合には、保護に値しなくなるとされ、取消しの主張ができなくなります。

また、相手方が錯誤につき知っていた場合などは、相手方を保護する必要はないと考えられるため、取消しの主張は制限されません。

もう一歩先へ 4項:
錯誤についての第三者保護規定の要件は、「善意・無過失」となっていますが、虚偽表示(民法94条)の場合は、単に「善意」とされています。

これは虚偽の意思表示をした者に比べれば、錯誤による意思表示をした者の方が責められるべき事情が小さいため、錯誤についての第三者保護規定の要件の方がより厳しくなっているものと考えられます。

cf. 民法707条1項 他人の債務の弁済

婚姻破綻定住 ~ ビザの道しるべ

日本人、永住者又は特別永住者との婚姻が事実上破綻し、引き続き日本に在留を希望する者

 
次の1又は2に該当し、かつ、3及び4に該当することが必要です。
 

  • 1.正常な婚姻関係・家庭生活があったこと
  • 2.DVによる被害を受けたと認められること
  • 3.生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
  • 4.公的義務を履行していること又は履行が見込まれること
もう一歩先へ
「婚姻が事実上破綻し」とは、婚姻は継続中であるものの、夫婦双方に婚姻継続の意思がなくなったもの、同居・相互の協力扶助の活動が事実上行われなくなったり、その状態が固定化していると認められ、婚姻関係を修復・継続し得る可能性がなくなった場合などをいいます。
もう一歩先へ
「正常な婚姻関係・家庭生活があったこと」とは、通常の夫婦として家庭生活を営んでいたことをいいます。別居していた期間があっても、3年程度以上、夫婦としての相互扶助、交流が継続して認められれば、これに該当します。
cf. 告示外定住(定住者告示に定めがないもの)とは ~ ビザの道しるべ
 
参考 入国・在留審査要領第12編

会社法199条 募集事項の決定

第199条 株式会社は、その発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集株式(当該募集に応じてこれらの株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。
 一 募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数。以下この節において同じ。)
 二 募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。以下この節において同じ。)又はその算定方法
 三 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額
 四 募集株式と引換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間
 五 株式を発行するときは、増加する資本金及び資本準備金に関する事項
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民法96条 詐欺又は強迫

第96条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
 
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
 
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。


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改正前民法96条 詐欺又は強迫

もう一歩先へ 3項:
虚偽の意思表示をした者(民法94条)に比べれば、詐欺による意思表示をした者は帰責性が小さいと考えられるため、虚偽表示の第三者保護規定は「善意」とされていますが、詐欺の場合には、「善意・無過失」とされています。