民事執行法207条 債務者の預貯金債権等に係る情報の取得

第207条 執行裁判所は、第百九十七条第一項各号のいずれかに該当するときは、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者の申立てにより、次の各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
 
 一 銀行等(銀行、信用金庫、信用金庫連合会、労働金庫、労働金庫連合会、信用協同組合、信用協同組合連合会、農業協同組合、農業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会、農林中央金庫、株式会社商工組合中央金庫又は独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構をいう。以下この号において同じ。)
 
債務者の当該銀行等に対する預貯金債権(民法第四百六十六条の五第一項に規定する預貯金債権をいう。)に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの
 
 二 振替機関等(社債、株式等の振替に関する法律第二条第五項に規定する振替機関等をいう。以下この号において同じ。)
 
債務者の有する振替社債等(同法第二百七十九条に規定する振替社債等であつて、当該振替機関等の備える振替口座簿における債務者の口座に記載され、又は記録されたものに限る。)に関する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの
 
2 執行裁判所は、第百九十七条第二項各号のいずれかに該当するときは、債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者の申立てにより、前項各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。
 
3 前二項の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。


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民法1036条 使用貸借及び賃貸借の規定の準用

第1036条 第五百九十七条第一項及び第三項、第六百条第六百十三条並びに第六百十六条の二の規定は、配偶者居住権について準用する。


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もう一歩先へ
施行日 配偶者居住権の制度は2020(令和2)年4月1日以後に開始した相続について適用されます。

cf. 改正相続法附則10条 配偶者の居住の権利に関する経過措置

民法1032条 配偶者による使用及び収益

第1032条 配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用及び収益をしなければならない。ただし、従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することを妨げない。
 
2 配偶者居住権は、譲渡することができない。
 
3 配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築若しくは増築をし、又は第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができない。
 
4 配偶者が第一項又は前項の規定に違反した場合において、居住建物の所有者が相当の期間を定めてその是正の催告をし、その期間内に是正がされないときは、居住建物の所有者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者居住権を消滅させることができる。


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もう一歩先へ
施行日 配偶者居住権の制度は2020(令和2)年4月1日以後に開始した相続について適用されます。

cf. 改正相続法附則10条 配偶者の居住の権利に関する経過措置
もう一歩先へ 1項ただし書き:
居住の用に供していた部分を営業の用に供するなどの、逆の用法変更は認められず、この場合は用法遵守違反となります。
もう一歩先へ 2項:
配偶者居住権は帰属上の一身専属権なので、その帰属主体は配偶者に限定され、これを譲渡することはできません。
 
配偶者が死亡した場合は、配偶者居住権は消滅(民法1036条 -> 民法597条3項)して、相続の対象にはなりません。

cf. 民法1036条 使用貸借及び賃貸借の規定の準用
cf. 民法597条3項 期間満了等による使用貸借の終了
 
もう一歩先へ 3項:
配偶者の家族や家事使用人は占有補助者にすぎす独立の占有を有しないと考えられているため、これら者を同居させても第三者に居住建物を使用収益させたことにはなりません。
もう一歩先へ 4項:
配偶者居住権の譲渡禁止(本条2項)に違反しただけでは消滅請求はできません。第三者に使用収益させて初めて配偶者居住権の消滅請求ができます。

cf. 民法612条 賃借権の譲渡及び転貸の制限

配偶者短期居住権の消滅請求(民法1038条3項)とは異なり、配偶者に対する是正の催告を必要としています。

cf. 民法1038条3項 配偶者による使用

会社法施行規則64条 書面による議決権の行使について定めることを要しない株式会社

第64条 法第二百九十八条第二項に規定する法務省令で定めるものは、株式会社の取締役(法第二百九十七条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主)が法第二百九十八条第二項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する株主の全部に対して金融商品取引法の規定に基づき株主総会の通知に際して委任状の用紙を交付することにより議決権の行使を第三者に代理させることを勧誘している場合における当該株式会社とする。


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会社法施行規則63条 招集の決定事項

第63条 法第二百九十八条第一項第五号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
 
 一 法第二百九十八条第一項第一号に規定する株主総会が定時株主総会である場合において、同号の日が次に掲げる要件のいずれかに該当するときは、その日時を決定した理由(ロに該当する場合にあっては、その日時を決定したことにつき特に理由がある場合における当該理由に限る。)
  イ 当該日が前事業年度に係る定時株主総会の日に応当する日と著しく離れた日であること。
  ロ 株式会社が公開会社である場合において、当該日と同一の日において定時株主総会を開催する他の株式会社(公開会社に限る。)が著しく多いこと。
 
 二 法第二百九十八条第一項第一号に規定する株主総会の場所が過去に開催した株主総会のいずれの場所とも著しく離れた場所であるとき(次に掲げる場合を除く。)は、その場所を決定した理由
  イ 当該場所が定款で定められたものである場合
  ロ 当該場所で開催することについて株主総会に出席しない株主全員の同意がある場合
 
 三 法第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときは、次に掲げる事項(定款にロからニまで及びヘに掲げる事項についての定めがある場合又はこれらの事項の決定を取締役に委任する旨を決定した場合における当該事項を除く。)
  イ 次款の規定により株主総会参考書類に記載すべき事項(第八十五条の二第三号、第八十五条の三第三号、第八十六条第三号及び第四号、第八十七条第三号及び第四号、第八十八条第三号及び第四号、第八十九条第三号、第九十条第三号、第九十一条第三号並びに第九十二条第三号に掲げる事項を除く。)
  ロ 特定の時(株主総会の日時以前の時であって、法第二百九十九条第一項の規定により通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。)をもって書面による議決権の行使の期限とする旨を定めるときは、その特定の時
  ハ 特定の時(株主総会の日時以前の時であって、法第二百九十九条第一項の規定により通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。)をもって電磁的方法による議決権の行使の期限とする旨を定めるときは、その特定の時
  ニ 第六十六条第一項第二号の取扱いを定めるときは、その取扱いの内容
  ホ 第九十四条第一項の措置をとることにより株主に対して提供する株主総会参考書類に記載しないものとする事項
  ヘ 一の株主が同一の議案につき次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める規定により重複して議決権を行使した場合において、当該同一の議案に対する議決権の行使の内容が異なるものであるときにおける当該株主の議決権の行使の取扱いに関する事項を定めるとき(次号に規定する場合を除く。)は、その事項
   (1) 法第二百九十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合 法第三百十一条第一項
   (2) 法第二百九十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合 法第三百十二条第一項
 
 四 法第二百九十八条第一項第三号及び第四号に掲げる事項を定めたときは、次に掲げる事項(定款にイ又はロに掲げる事項についての定めがある場合における当該事項を除く。)
  イ 法第二百九十九条第三項の承諾をした株主の請求があった時に当該株主に対して法第三百一条第一項の規定による議決権行使書面(法第三百一条第一項に規定する議決権行使書面をいう。以下この節において同じ。)の交付(当該交付に代えて行う同条第二項の規定による電磁的方法による提供を含む。)をすることとするときは、その旨
  ロ 一の株主が同一の議案につき法第三百十一条第一項又は第三百十二条第一項の規定により重複して議決権を行使した場合において、当該同一の議案に対する議決権の行使の内容が異なるものであるときにおける当該株主の議決権の行使の取扱いに関する事項を定めるときは、その事項
 
 五 法第三百十条第一項の規定による代理人による議決権の行使について、代理権(代理人の資格を含む。)を証明する方法、代理人の数その他代理人による議決権の行使に関する事項を定めるとき(定款に当該事項についての定めがある場合を除く。)は、その事項
 
 六 法第三百十三条第二項の規定による通知の方法を定めるとき(定款に当該通知の方法についての定めがある場合を除く。)は、その方法
 
 七 第三号に規定する場合以外の場合において、次に掲げる事項が株主総会の目的である事項であるときは、当該事項に係る議案の概要(議案が確定していない場合にあっては、その旨)
  イ 役員等の選任
  ロ 役員等の報酬等
  ハ 全部取得条項付種類株式の取得
  ニ 株式の併合
  ホ 法第百九十九条第三項又は第二百条第二項に規定する場合における募集株式を引き受ける者の募集
  ヘ 法第二百三十八条第三項各号又は第二百三十九条第二項各号に掲げる場合における募集新株予約権を引き受ける者の募集
  ト 事業譲渡等
  チ 定款の変更
  リ 合併
  ヌ 吸収分割
  ル 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継
  ヲ 新設分割
  ワ 株式交換
  カ 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得
  ヨ 株式移転


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会社法298条 株主総会の招集の決定

第298条 取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。
 一 株主総会の日時及び場所
 二 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項
 三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
 四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
 
2 取締役は、株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条から第三百二条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。ただし、当該株式会社が金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社であって法務省令で定めるものである場合は、この限りでない。
 
3 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「前項第二号に掲げる事項」とする。
 
4 取締役会設置会社においては、前条第四項の規定により株主が株主総会を招集するときを除き、第一項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。


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もう一歩先へ 1項:
  • 1号: 招集場所については、今までの開催場所と著しく離れている場合は理由が必要になります。

    cf. 会社法施行規則63条2号 招集の決定事項

    旧商法下の定款で招集地を規定していた場合は、定款を変更してこれを削除しないと、引き続き当該定めに従うことになります。

    cf. 会社整備法66条2項 旧株式会社の存続等

    株主の出席を困難にするような場所で株主総会を開催した場合、招集手続きが不公正なものとして取消事由となることがあります。また、複数の場所で株主総会を開催する場合、モニターテレビなどを配置して、情報伝達の双方向性、即時性に配慮して一体性を確保することが必要です。これが欠いていれば、決議方法が著しく不公正なものとして取消事由となることがあります。

    cf. 会社法831条1項1号 株主総会等の決議の取消しの訴え
  • 2号: いわゆる、議題です。取締役会設置会社では、ここに揚げる事項以外の事項については、決議できません。

    cf.会社法309条5項 株主総会の決議
  • 3号: 書面投票制度
  • 4号: 電子投票制度
cf. 会社法296条 株主総会の招集