民法118条 単独行為の無権代理

第118条 単独行為については、その行為の時において、相手方が、代理人と称する者が代理権を有しないで行為をすることに同意し、又はその代理権を争わなかったときに限り、第百十三条から前条までの規定を準用する。代理権を有しない者に対しその同意を得て単独行為をしたときも、同様とする。


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民法127条 条件が成就した場合の効果

第127条 停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
 
2 解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。
 
3 当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。


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民法128条 条件の成否未定の間における相手方の利益の侵害の禁止

第128条 条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益を害することができない。


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e.g.AがBに対し「Bが医学部の卒業試験に合格したら、私が所有する甲自動車を贈与する。」と約束した場合、卒業試験の前にAが甲自動車を第三者Cに売却したときは、BはAに対し、それにより生じた損害の賠償を請求することができます。

民法467条 債権の譲渡の対抗要件

第467条 債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
 
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。


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改正前民法467条 指名債権の譲渡の対抗要件

もう一歩先へ 2項:
cf. 最判平13・11・27(取立債権請求事件) 全文

判示事項
 指名債権譲渡の予約についての確定日付のある証書による債務者に対する通知又は債務者の承諾をもって予約の完結による債権譲渡の効力を第三者に対抗することの可否

裁判要旨
 指名債権譲渡の予約についてされた確定日付のある証書による債務者に対する通知又は債務者の承諾をもって,当該予約の完結による債権譲渡の効力を第三者に対抗することはできない。

cf. 民法556条 売買の一方の予約
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cf. 最判昭55・1・11(譲受債権) 全文

判示事項
 指名債権が二重に譲渡され確定日付のある各譲渡通知が同時に債務者に到達した場合における譲受人の一人からする弁済請求

裁判要旨
 指名債権が二重に譲渡され、確定日付のある各譲渡通知が同時に債務者に到達したときは、各譲受人は、債務者に対しそれぞれの譲受債権全額の弁済を請求することができ、譲受人の一人から弁済の請求を受けた債務者は、他の譲受人に対する弁済その他の債務消滅事由が存在しない限り、弁済の責を免れることができない。

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cf. 最判平5・3・30(供託金還付請求権確認請求本訴、同反訴) 全文

判示事項
 一 同一の債権について差押通知と確定日付のある譲渡通知との第三債務者への到達の先後関係が不明である場合における差押債権者と債権譲受人との間の優劣
 二 同一の債権について差押通知と確定日付のある譲渡通知との第三債務者への到達の先後関係が不明である場合と当該債権に係る供託金の還付請求権の帰属

裁判要旨
 一 同一の債権について、差押通知と確定日付のある譲渡通知との第三債務者への到達の先後関係が不明である場合、差押債権者と債権譲受人とは、互いに自己が優先的地位にある債権者であると主張することができない。
 二 同一の債権について、差押通知と確定日付のある譲渡通知との第三債務者への到達の先後関係が不明であるため、第三債務者が債権額に相当する金員を供託した場合において、被差押債権額と譲受債権額との合計額が右供託金額を超過するときは、差押債権者と債権譲受人は、被差押債権額と譲受債権額に応じて供託金額を案分した額の供託金還付請求権をそれぞれ分割取得する。

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cf. 最判昭49・3・7(第三者異議) 全文

判示事項
一 指名債権の二重譲渡と優劣の基準
二 民法四六七条二項の確定日付ある通知と認められた事例

裁判要旨
一 指名債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互の問の優劣は、確定日付ある通知が債務者に到達した日時又は確定日付ある債務者の承諾の日時の先後によつて決すべきである。
二 債権者が、債権譲渡証書に確定日付を受け、これを即日短時間内に債務者に交付したときは、民法四六七条二項所定の確定日付ある通知があつたものと認めることができる。

 
もう一歩先へ 1項:
cf. 最判昭28・5・29(預金払戻請求) 全文

判示事項
 特定の債権譲渡に対し債務者が事前に同意を与えた場合と民法第四六七条第一項の対抗要件の要否

裁判要旨
 債権者が特定の債権を特定の譲受人に譲渡しようとするにあたり、債務者が予めその譲渡行為に同意を与えたときは、右譲渡の後あらためて民法第四六七条第一項所定の通知または承諾がなくても、当該債務者に対しては、右債権譲渡を対抗し得ると解するのが相当である。

令和2年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について@法務省

標記の件、次のように、法務省のサイトに掲載されました。

cf. 令和2年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について

令和2年10月15日(木)に,12年以上登記がされていない株式会社,5年以上登記がされていない一般社団法人又は一般財団法人について,法律の規定に基づき,法務大臣の公告を行い,管轄登記所から通知書の発送を行いました。

上記の株式会社,一般社団法人又は一般財団法人に該当する場合には,令和2年12月15日(火)までにまだ事業を廃止していない旨の届出を管轄登記所にする必要があります。その旨の届出等がされないときは,解散の登記をするなどの整理作業を行います(会社法第472条,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第149条及び第203条)。

cf. 会社法472条 休眠会社のみなし解散

cf. 一般法人法149条 休眠一般社団法人のみなし解散

cf. 一般法人法203条 休眠一般財団法人のみなし解散

民法130条 条件の成就の妨害等

第130条 条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。
 
2 条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる。


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改正前民法130条 条件の成就の妨害
 

もう一歩先へ 1項:
e.g.AがBに対し「私の所有する甲土地の購入希望者をBが見つけることができ、Bの仲介により売買契約に至れば、その仲介報酬を支払う。」と約束した場合、Aが、Bの見つけてきた甲土地の購入希望者との間で、Bの仲介によらずに直接甲土地の売買契約を結んだとしても、Bは、Aに対し、仲介報酬を請求することができます。
もう一歩先へ 2項:
改正前には、利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときの規定はありませんでした。

「不正に」とあるので、「試験に合格したら、車を買ってやるよ」というような場合に、不正な手段で合格したような場合に適用されます。

 

民法131条 既成条件

第131条 条件が法律行為の時に既に成就していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無条件とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無効とする。
 
2 条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無効とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無条件とする。
 
3 前二項に規定する場合において、当事者が条件が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間は、第百二十八条及び第百二十九条の規定を準用する。


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民法132条 不法条件

第132条 不法な条件を付した法律行為は、無効とする。不法な行為をしないことを条件とするものも、同様とする。


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不法な行為をしないことを条件とする法律行為も無効になりますが、これは不法な行為を背景に一定の法律関係を強制することを防ぐためです。