第268条 調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は、確定判決(別表第二に掲げる事項にあっては、確定した第三十九条の規定による審判)と同一の効力を有する。
2 家事調停事件の一部について当事者間に合意が成立したときは、その一部について調停を成立させることができる。手続の併合を命じた数個の家事調停事件中その一について合意が成立したときも、同様とする。
3 離婚又は離縁についての調停事件においては、第二百五十八条第一項において準用する第五十四条第一項に規定する方法によっては、調停を成立させることができない。
4 第一項及び第二項の規定は、第二百七十七条第一項に規定する事項についての調停事件については、適用しない。
家事事件手続法54条 音声の送受信による通話の方法による手続
第54条 家庭裁判所は、当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、家事審判の手続の期日における手続(証拠調べを除く。)を行うことができる。
2 家事審判の手続の期日に出頭しないで前項の手続に関与した者は、その期日に出頭したものとみなす。
cf.
民事訴訟法170条3項 弁論準備手続における訴訟行為等
家事事件手続法247条 調停機関
第247条 家庭裁判所は、調停委員会で調停を行う。ただし、家庭裁判所が相当と認めるときは、裁判官のみで行うことができる。
2 家庭裁判所は、当事者の申立てがあるときは、前項ただし書の規定にかかわらず、調停委員会で調停を行わなければならない。
家事事件手続法272条 調停の不成立の場合の事件の終了
第272条 調停委員会は、当事者間に合意(第二百七十七条第一項第一号の合意を含む。)が成立する見込みがない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合には、調停が成立しないものとして、家事調停事件を終了させることができる。ただし、家庭裁判所が第二百八十四条第一項の規定による調停に代わる審判をしたときは、この限りでない。
2 前項の規定により家事調停事件が終了したときは、家庭裁判所は、当事者に対し、その旨を通知しなければならない。
3 当事者が前項の規定による通知を受けた日から二週間以内に家事調停の申立てがあった事件について訴えを提起したときは、家事調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなす。
4 第一項の規定により別表第二に掲げる事項についての調停事件が終了した場合には、家事調停の申立ての時に、当該事項についての家事審判の申立てがあったものとみなす。
もう一歩先へ 1項:
もう一歩先へ 2項:
もう一歩先へ 4項:
遺産分割調停事件が調停不成立で終了した場合は、そのまま審判手続に移行します。
家事事件手続法202条 財産分離に関する審判事件
第202条 次の各号に掲げる審判事件は、当該各号に定める裁判所の管轄に属する。
一 財産分離の審判事件(別表第一の九十六の項の事項についての審判事件をいう。次号において同じ。) 相続が開始した地を管轄する家庭裁判所
二 財産分離の請求後の相続財産の管理に関する処分の審判事件 財産分離の審判事件が係属している家庭裁判所(抗告裁判所に係属している場合にあってはその裁判所、財産分離の裁判確定後にあっては財産分離の審判事件が係属していた家庭裁判所)
三 財産分離の場合における鑑定人の選任の審判事件(別表第一の九十八の項の事項についての審判事件をいう。) 財産分離の審判をした家庭裁判所(抗告裁判所が財産分離の裁判をした場合にあっては、その第一審裁判所である家庭裁判所)
2 次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。
一 財産分離の審判 相続人
二 民法第九百四十一条第一項の規定による財産分離の申立てを却下する審判 相続債権者及び受遺者
三 民法第九百五十条第一項の規定による財産分離の申立てを却下する審判 相続人の債権者
3 第百二十五条の規定は、財産分離の請求後の相続財産の管理に関する処分の審判事件について準用する。この場合において、同条第三項中「成年被後見人の財産」とあるのは、「相続財産」と読み替えるものとする。
cf.
別表1の96項
cf.
民法941条 相続債権者又は受遺者の請求による財産分離
民法950条 相続人の債権者の請求による財産分離
第950条 相続人が限定承認をすることができる間又は相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、相続人の債権者は、家庭裁判所に対して財産分離の請求をすることができる。
2 第三百四条、第九百二十五条、第九百二十七条から第九百三十四条まで、第九百四十三条から第九百四十五条まで及び第九百四十八条の規定は、前項の場合について準用する。ただし、第九百二十七条の公告及び催告は、財産分離の請求をした債権者がしなければならない。
もう一歩先へ
固有財産の方が債務超過の度合いが高い場合に、相続債権者等から請求される第一種財産分離(民法941条以下)、相続財産の方が債務超過の度合いが高い場合に、相続人の債権者等から請求される第二種財産分離(民法950条)があります。
第二種財産分離は、相続財産が債務超過の場合の制度です。
cf. 民法941条 相続債権者又は受遺者の請求による財産分離家事事件手続法39条 審判事項
家事事件手続規則47条 家事審判の申立書の写しの添付・法第六十七条
第47条 法別表第二に掲げる事項についての家事審判の申立てをするときは、家事審判の申立書に相手方の数と同数の写しを添付しなければならない。
家事事件手続法256条 家事調停の申立書の写しの送付等
第256条 家事調停の申立てがあった場合には、家庭裁判所は、申立てが不適法であるとき又は家事調停の手続の期日を経ないで第二百七十一条の規定により家事調停事件を終了させるときを除き、家事調停の申立書の写しを相手方に送付しなければならない。ただし、家事調停の手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められるときは、家事調停の申立てがあったことを通知することをもって、家事調停の申立書の写しの送付に代えることができる。
2 第四十九条第四項から第六項までの規定は前項の規定による家事調停の申立書の写しの送付又はこれに代わる通知をすることができない場合について、第六十七条第三項及び第四項の規定は前項の規定による家事調停の申立書の写しの送付又はこれに代わる通知の費用の予納について準用する。
民法897条の2 相続財産の保存
第897条の2 家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、いつでも、相続財産の管理人の選任その他の相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる。ただし、相続人が一人である場合においてその相続人が相続の単純承認をしたとき、相続人が数人ある場合において遺産の全部の分割がされたとき、又は第九百五十二条第一項の規定により相続財産の清算人が選任されているときは、この限りでない。
2 第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用する。
新設
もう一歩先へ
民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)
成立
2021(令和3)年4月21日
公布 2021(令和3)年4月28日
施行日 2023(令和5)年4月1日
公布 2021(令和3)年4月28日
施行日 2023(令和5)年4月1日
もう一歩先へ
令和3年改正の施行日(令和5年4月1日)前に改正前民法918条2項(承認又は放棄するまでの相続財産管理人)等の廃止された規定により選任された相続財産管理人は、施行日以降は、本条1項本文によって選任された相続財産の保存のための相続財産管理人とみなされます。
cf.
令和3年改正民法附則2条1項 相続財産の保存に必要な処分に関する経過措置
cf.
改正前民法918条2項 相続財産の管理