第990条 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。
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第990条 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。
第964条 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。
2019(令和元)年7月1日以降に開始した相続に適用されます。
改正前民法964条ただし書が削除されました。
しかしながら、受遺者には遺留分の適用がないので、包括受遺者は、財産が遺留分より少ないとか、代襲相続の規定も適用がないので、包括受遺者が亡くなっても、その子が代わりにもらうことはありません。
cf. 民法965条 相続人に関する規定の準用また、遺言者が「所有する」全ての財産、「有する」全ての資産、と記載することがありますが、「所有する」という場合は債務などのマイナスの資産は含みません(「債務を所有する」とはいいません。)。
「有する」という場合は、債務を負担するという意味にも用いられ、プラスの資産だけでなくマイナスの資産も含むと考えられます。
しがたって、包括遺贈の場合には、「有する資産(「債務、費用等を含む」と記載しておけば誤解が防げます)」を使い、特定遺贈の場合には「所有する資産(例 不動産、預貯金等)」と記載することが正確な用語となります。
判示事項
不動産の遺贈と民法第一七七条の第三者。
裁判要旨
甲からその所有不動産の遺贈を受けた乙がその旨の所有権移転登記をしない間に、甲の相続人の一人である丙に対する債権者丁が、丙に代位して同人のために前記不動産につき相続による持分取得の登記をなし、ついでこれに対し強制競売の申立をなし、該申立が登記簿に記入された場合においては、丁は、民法第一七七条にいう第三者に該当する。
第960条 遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。
第961条 十五歳に達した者は、遺言をすることができる。
第5条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。
第9条 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。
第963条 遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。
第951条 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。
戸籍上の相続人の行方不明又は生死不明等は、該当しません。
cf. 民法25条 不在者の財産の管理相続財産法人は、「相続人のあることが明らかでない」「相続財産」について、「相続開始と同時」に、法律上当然に成立します。
法人設立のための手続等は不要です。
判示事項
遺言者に相続人は存在しないが相続財産全部の包括受遺者が存在する場合と民法九五一条にいう「相続人のあることが明かでないとき」
裁判要旨
遺言者に相続人は存在しないが相続財産全部の包括受遺者が存在する場合は、民法九五一条にいう「相続人のあることが明かでないとき」に当たらない。
相続財産法人と被相続人から物件を取得していた者との関係が対抗関係か否か
「同法人は被相続人の権利義務を承継した相続人と同様の地位にあるものというべく、従つて本件の如く被相続人の生前被相続人より不動産の贈与を受けた者に対する関係においては、同法人は民法一七七条にいう第三者に該当しないものと解するを相当とする」
cf. 民法177条 不動産に関する物権の変動の対抗要件cf. 民法957条 相続債権者及び受遺者に対する弁済第952条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の管理人を選任しなければならない。
2 前項の規定により相続財産の管理人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なくこれを公告しなければならない。