第40条 当事者が人的に法を異にする国の国籍を有する場合には、その国の規則に従い指定される法(そのような規則がない場合にあっては、当事者に最も密接な関係がある法)を当事者の本国法とする。
2 前項の規定は、当事者の常居所地が人的に法を異にする場合における当事者の常居所地法で第二十五条(第二十六条第一項及び第二十七条において準用する場合を含む。)、第二十六条第二項第二号、第三十二条又は第三十八条第二項の規定により適用されるもの及び夫婦に最も密接な関係がある地が人的に法を異にする場合における夫婦に最も密接な関係がある地の法について準用する。
通則法24条 婚姻の成立及び方式
第24条 婚姻の成立は、各当事者につき、その本国法による。
2 婚姻の方式は、婚姻挙行地の法による。
3 前項の規定にかかわらず、当事者の一方の本国法に適合する方式は、有効とする。ただし、日本において婚姻が挙行された場合において、当事者の一方が日本人であるときは、この限りでない。
戸籍法52条 嫡出子等の出生の届出
戸籍法49条 出生の届出
第49条 出生の届出は、14日以内(国外で出生があつたときは、三箇月以内)にこれをしなければならない。
2 届書には、次の事項を記載しなければならない。
一 子の男女の別及び嫡出子又は嫡出でない子の別
二 出生の年月日時分及び場所
三 父母の氏名及び本籍、父又は母が外国人であるときは、その氏名及び国籍
四 その他法務省令で定める事項
3 医師、助産師又はその他の者が出産に立ち会つた場合には、医師、助産師、その他の者の順序に従つてそのうちの一人が法務省令・厚生労働省令の定めるところによつて作成する出生証明書を届書に添付しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
cf.
出生届@法務省
商業登記法30条 商号の譲渡又は相続の登記
第30条 商号の譲渡による変更の登記は、譲受人の申請によってする。
2 前項の登記の申請書には、譲渡人の承諾書及び商法第十五条第一項の規定に該当することを証する書面を添付しなければならない。
3 商号の相続による変更の登記を申請するには、申請書に相続を証する書面を添付しなければならない。
改正相続法附則1条 施行期日
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第三十条及び第三十一条の規定 公布の日
二 第一条中民法第九百六十八条、第九百七十条第二項及び第九百八十二条の改正規定並びに附則第六条の規定 公布の日から起算して六月を経過した日
三 第一条中民法第九百九十八条、第千条及び第千二十五条ただし書の改正規定並びに附則第七条及び第九条の規定 民法の一部を改正する法律(平成二十九年法律第四十四号)の施行の日
四 第二条並びに附則第十条、第十三条、第十四条、第十七条、第十八条及び第二十三条から第二十六条までの規定 公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日
五 第三条中家事事件手続法第三条の十一及び第三条の十四の改正規定並びに附則第十一条第一項の規定 人事訴訟法等の一部を改正する法律(平成三十年法律第20号)の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日
平成31(2019)年1月13日
自筆証書遺言の方式緩和(民法968条)に関する規定については、平成31(2019)年1月13日から施行されることになります。
民法1046条 遺留分侵害額の請求
第1046条 遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。以下この章において同じ。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。
2 遺留分侵害額は、第千四十二条の規定による遺留分から第一号及び第二号に掲げる額を控除し、これに第三号に掲げる額を加算して算定する。
一 遺留分権利者が受けた遺贈又は第九百三条第一項に規定する贈与の価額
二 第九百条から第九百二条まで、第九百三条及び第九百四条の規定により算定した相続分に応じて遺留分権利者が取得すべき遺産の価額
三 被相続人が相続開始の時において有した債務のうち、第八百九十九条の規定により遺留分権利者が承継する債務(次条第三項において「遺留分権利者承継債務」という。)の額
施行日
2019年7月1日
2019年7月1日以降に開始した相続に適用されます。遺留分を侵害する生前贈与が施行日以前に行われていたとしても、相続の開始が施行日以降であれば、本条文が適用されます。
施行日前に開始された相続については、改正前の制度である遺留分減殺請求の対象となります。
cf. 民法1047条5項 受遺者又は受贈者の負担額
cf. 改正債権法附則10条4項 時効に関する経過措置
改正債権法施行後においては5年間の消滅時効にかかります。
(相続の開始が改正債権法の施行日前であっても、遺留分侵害額請求権(形成権)の行使が施行日後にされた場合には、改正債権法の規定が適用されて、時効期間が5年となります。)
改正債権法の施行日は令和2(2020)年4月1日です。
cf. 改正債権法附則1条 施行期日遺留分侵害額 = 遺留分
− 遺留分権利者の特別受益の額
− 遺留分権利者が遺産分割において取得すべき財産の額
+ 遺留分権利者が相続によって負担する債務の額
当該判決の考え方は、本条2項3号に明文化されました。すなわち、「899条の規定により遺留分権利者が承継する債務」と定めることで、相続分指定があった場合の「遺留分権利者承継債務」の額は、指定相続分相当の額であることを明らかにしています。
判示事項
相続人のうちの1人に対して財産全部を相続させる旨の遺言がされた場合において,遺留分の侵害額の算定に当たり,遺留分権利者の法定相続分に応じた相続債務の額を遺留分の額に加算することの可否
裁判要旨
相続人のうちの1人に対して財産全部を相続させる旨の遺言がされた場合には,遺言の趣旨等から相続債務については当該相続人にすべてを相続させる意思のないことが明らかであるなどの特段の事情のない限り,相続人間においては当該相続人が相続債務もすべて承継したと解され,遺留分の侵害額の算定に当たり,遺留分権利者の法定相続分に応じた相続債務の額を遺留分の額に加算することは許されない。
改正前民法907条 遺産の分割の協議又は審判等
第907条 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。cf. 民法907条 遺産の分割の協議又は審判
2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。
3 前項本文の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。
2019(令和元)年7月1日以降に開始した相続に適用されます。
cf. 改正相続法附則2条 民法の一部改正に伴う経過措置の原則遺産分割協議には、共同相続人全員が参加しなければなりません。また、遺産分割協議の解除も全員でする必要があります。
民法909条 遺産の分割の効力
第909条 遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
判示事項
遺産分割と登記
裁判要旨
相続財産中の不動産につき、遺産分割により権利を取得した相続人は、登記を経なければ、分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、法定相続分をこえる権利の取得を対抗することができない。
「なお、民法九〇九条但書にいう第三者は、相続開始後遺産分割前に生じた第三者を指し、遺産分割後に生じた第三者については同法一七七条が適用されるべきことは、右に説示したとおりであ」る。
改正相続法附則8条 遺言執行者の権利義務等に関する経過措置
第8条 新民法第千七条第二項及び第千十二条の規定は、施行日前に開始した相続に関し、施行日以後に遺言執行者となる者にも、適用する。
2 新民法第千十四条第二項から第四項までの規定は、施行日前にされた特定の財産に関する遺言に係る遺言執行者によるその執行については、適用しない。
3 施行日前にされた遺言に係る遺言執行者の復任権については、新民法第千十六条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
いずれも新たな規定であり、施行日前にされる遺言は、一般的に、改正前の規定を前提として作成されるものと考えられるため、遡及的に適用することは相当ではないと考えられたためです。